銅原料は、錆によって価値が落ちる?

本日のLME銅相場は、先週からレンジ内をキープしておりますが、為替が108,81円と円安傾向となっており、銅の建値が1万下がるか下がらないかといったところです。こんな不安定な銅相場だからこそ、少しでも単価を下げないように銅を売っていかなければなりません。本記事では、銅単価のマイナス要素になる錆について触れてみたいと思います。

4月6日LME銅 先週からほぼ変わらず

銅は、酸素の触れる表面が酸化することで緑色のサビが発生することがありますが、これを緑青(ロクショウ)と呼んでおります。例えば、表面が緑色になった銅像や10円玉を見たことがある方も多いのではないでしょうか?

これらは全て緑青という現象によるものと言えます。有名なアメリカの自由の女神や長崎の平和記念像なども緑がかった色合いになっていますが、これらも緑青という現象と言われております。その昔、緑青は毒だとされていましたが、近年の研究によって人体に無害であることが証明され、仮に緑青が体内に入り込んでもすぐに体外に放出されることが分かっています。また緑青の発生した銅製品を洗浄し使用したとしても、人体に全く問題はなく、使うことができます。しかし、この緑青、銅の売買においてはかなりの厄介者となります。電線を剥(む)いて取り出した銅線を「1号銅線くず(通称ピカ線)」と呼んでいますが、電線を剥いて塩漬けにすることで、酸化をおこし緑青が起きることがあります。このような状態になると通常のピカ線の値1㎏当たりの単価が10円~20円も下がってしまうのです。銅の平らな面に緑青が発生した場合は、酢と塩を混ぜた液を使用し、こすり落とすことができますが、ピカ線はいくつもの細い銅線の素線から成り立っていますので、その形状からかなりの手間がかかります。ですから電線を剥いて発生したピカ線は素早く出荷した方がお得になるわけです。また、塩漬けにする場合は電線の状態で塩漬けにしておき、いざ出荷の目途がたったら一気に電線を剥いて出荷すればよいのです。環境によりますが、ちなみに一か月程度ではまだ緑青の現象は表れないので結構な余裕があるかと思います。

銅製品は熱伝導率が優れており、且つ銅イオン作用によって殺菌作用もあると言われており、世界で古来から使用され、これからも銅の需要は益々高まるばかりです。できるだけ効率よくリサイクルしていけるよう取り組んでいかなくてはなりません。

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