電気工事屋さんにもお勧め。剥線機(はくせんき)とは?

電線から銅を抽出することで、ようやくその銅は、メーカー(伸銅メーカー)に出荷されリサイクルされる工程を辿ります。

ですから、まずは電線から銅を抽出することがわたくし共のお仕事になります。

電線から銅の抽出するやり方は、大きく分けて2つあります。

以前にもご紹介させていただいた剥線機にかけて電線を剥く方法と、ナゲットにかける方法です

剥線機 北辰通商YOUTUBEより

剥線機

ナゲット機械 三立機械工業様HPより

https://www.sanritsu-machine.com/products-02/

2つの映像の通り、剥線機は、電線を通して銅線を抽出しますが、ナゲットは、電線を細かくしてそれを廃プラスチックと銅に機械で選別していくのです。

いずれのやり方も、極めて精度が高い仕分け方法ですが、電線における銅の歩留まり(含有率)によって適宜その機械を使い分けているのです。

1号銅線くず(60%~80%歩留まりの電線から抽出)

歩留まりとは、その電線に含有している銅の割合のことで、例えば1tの電線があれば、そこから抽出できる銅が900㎏あれば、銅の歩留まりが90%であるということを示します。

一概に言えない部分もありますが、この歩留まりが高ければ高いほど、剥線機を使用し、逆に歩留まりが低ければ低いほど、ナゲット機械を使用した方がそれぞれ、生産性が高いと言えます。

剥線機は、人による労力に頼るところが多いのに対して、ナゲットは、人の労力がほとんどかからず、ほぼ自動で銅を抽出してくれます。

ならば、全部ナゲットで行えば良いと思うかもしれませんが、ナゲットにかかるコストは、機械代、場所、維持費などを加味すると、剥線機の15倍から20倍となりますので、簡単には取り入れません。

労働集約型の剥線機が良いのか?それとも全自動機械のナゲットが良いのか?

この2つの選択肢の中から意思決定するのに、重要なことが先ほどもお話した歩留まりというわけです。

以前弊社では、歩留まり40%の電線1t分を、この剥線機で剥いて400㎏の銅を抽出してみましたが、なんと2人で3日かかりました。

これは、大赤字の仕事です。

対してナゲットでは、抽出に1時間もかからないのです。

繰り返しになりますが、70%~90%の歩留まりの電線が集まるなら、剥線機を取り入れれば十分ですし、40%の歩留まりの電線が主に集まるスクラップ屋さんであれば、ナゲットを取り入れる選択が正しいと言えるのです。

弊社では、主に70%~90%の歩留まりの電線が集まりますので、剥線機を2台取り入れております。種類にもよりますが、1台当たり150万円くらいで購入できるかと思いますので、歩留まりが70%の電線の発生する電気工事屋さんなどでも、是非取り入れて銅の抽出作業を行ってみるのも良いかもしれません。

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