自動車触媒の役割とスクラップ価格

今から20年前くらい前に、私一人車で、茨城の大洗海岸まで車行ったときの話です。お金もなかったので、海岸線に車を停めて車中泊をしていると、となりに「バリバリ」という異音が鳴る車が停車しました。

私は、当時ある自動車ディーラーの営業マンをしていたので、マフラーの不調であることはすぐに気づきました。8月という真夏の時期だったので、車内はエアコンをかけなければ眠ることはできないので、その夜は、その異音と共に車中泊をしました。

朝日が上がる午前5時頃だったと思います。ふと気づくと外がなんだか騒がしい。

ふと、隣の車の運転席を見ると瞬きをしないで目を開けて、仰向けになっている男性が確認できたのです。

そのまま救急車に運ばれましたが、お亡くなりなったようです。

事故原因は、マフラーが破れ、車内にCO(一酸化炭素)が充満したことによる中毒死であることが分かりました。

私は、排ガスの有害性、危険性をこの時初めて、思い知ったのです。

この時以来、エンジンをつけっぱなしで、車内で眠ることができなくなってしまいました。それだけ、自動車の排気ガスが危険であることが、脳裏に焼き付いているのかもしれません。

自動車の排気ガスには、今ほどご説明させて頂きましたCO(一酸化炭素)と光化学スモッグの原因となるNOx(ノックス:窒素酸化物)などの化学物質を含んでおり、人体や環境に悪影響を与えてしまいます。

そんな有害な排気ガスでも、外に放出されるときには、かなりクリーンな状態になっているのです。ほぼ、一酸化窒素、水と二酸化炭素に変わっているのです。

この排気ガスに含まれている有害な化学物質を抑えてくれるのが、触媒(しょくばい)という自動車部品です。

ハニカム触媒の写真

排気ガスは、マフラーを通して外に排出されるわけですが、このマフラーの一部に組み込まれているのが触媒です。

触媒には、車種に応じて様々な種類がありますが、国産自動車の廃棄量に応じて価格帯は、幅が有りますが、ざっと3万円から4万円します。

高い!と思われるかもしれませんが、

この触媒、なんとプラチナという貴金属を使用しているのです。

それは、高いわけです。

不要となった触媒からは、プラチナを抽出できるので、触媒はスクラップ市場で、取引が旺盛になされているのです。

触媒はハニカム触媒やメタル触媒さらには、ディーゼル用触媒、ペレット触媒に分かれ、スクラップ価格は、それら種類に応じて違いますが、アメ車などの触媒は、「ハニカムの特大」と言って買取り価格が1個1万円5千円以上の価値を示します。(5年前くらいでは2万円くらいの価値があったかと記憶しています)

近年、自動車の排ガス規制などから触媒も大きく進化しております。

東京などの首都圏を中心に行われているディーゼル規制や普通自動車の優遇税制などからもお分かりの通り、NOxや二酸化炭素などの抑制対策は、国がかなり力を入れていることが見て分りますね。

そんな進化し続ける触媒に含有するプラチナなどの希少金属が増えるのか、または減るのかに今後注目しているわけです。

話を戻しますが、自動車の排ガスはこのような触媒によって浄化されております。マフラーなどが破損していれば、触媒を介さないで車内に入り込んできます。くれぐれもマフラーの点検と、エンジンをかけながらの車内での居眠りにはご用心頂けたらと思います。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA