金属の盗難対策は、アイデアで勝負だ
北京オリンピックなどの中国特需によって、金属相場がLME史上最大の上昇を記録しました。今から遡ること13年前の話です。その当時の銅の建値は90万円を超え、鉄スクラップもアルミも鉛も全ての金属相場の地合いが良く堅調に伸び続けていました。
この時期は、ゴミステーションからお金になりそうになるものを回収して、スクラップ屋さんに持ち込むことが、出稼ぎ中国人のトレンドになっており、社会問題にもなりました。ゴミステーションに捨てられたゴミの所有権は、あくまでもそのゴミを管理する市町村にあるわけですので、ある種の盗難事件であることが言えるでしょう。さらに公園の金属製の遊具や真鍮屑でできたトンネルの銘板、工事現場の鉄板などの盗難も各地で多発しました。
弊社にも泥棒が入りました。
弊社は、盤石な警備体制を整えているので、実質的な被害はありませんでしたが、防犯カメラに窃盗犯が映っているのを確認した時ほど、背筋がゾッとしたことはありませんでした。その後リーマンブラザーズの経営破綻から世界中が金融危機に見舞われ金属相場も半値以下になってしまったのを機に、このような事件も急激に減少しました。さらにこれを機に、様々なところで金属の盗難対策がなされるようになりました。我々のような高価な金属を保管するヤードは、赤外線のセンサーや高性能の防犯カメラを設置するのが当たり前になりましたし、さまざまなところで、防犯カメラが増えてきました。最近では車にもドライブレコーダーが装備されているので、安易に盗難ができなくなっています。金属の盗難は減少傾向にあるのでしょう。
しかし、そんな気が緩んでいるところを虎視眈々と泥棒は、狙っているかもしれません。もし、高価な金属を会社などで保管している場合は、今一度盗難対策を見直してみるべきと思います。新型コロナの影響で、今は盗難にかける設備投資に躊躇するかもしれませんが、何もお金をかけることだけが盗難対策になるわけではありませんし、要らなくなった資材をリユースして盗難設備を作成することも可能なのです。この時期ですからアイデアだけで、盗難対策を行ってみてはいかがでしょう?さらに盗難対策以外にも凄いアイデアが出るかもしれませんね。