円安傾向が銅相場の追い風に?その影に忍び寄る者とは?

新型コロナウイルスの影響で、世界の株価が暴落しております。日経平均株価も先日200円の反発がありましたが、果たして2万円台を維持できるのかどうかが注目されております。

本日3月3日10時 米ドル108.23

LME 5600ドル付近

通常世界経済に減速感が高まると、投資家は安全な資産を買う傾向にあります。安全資産として挙げられているのが、金と円でした。円は買われることで円高になるわけですが、本日の為替が108円台(それでも先週から2円近く円高)であることを見ると、どうもおかしい気がします。

ここまでのショックが起きれば、もっと円高になるはずです。

去年から米中貿易戦争が繰り広げられ、去年の為替は、一時(8月)105円の値をつけました。新型コロナのインパクトは105円を下回るくらい円高になるはずですが、なぜ誰も買いに走らないのか?

つまり、既に円は、安全資産として投資家から見放されている可能性があるのです。

今まで世界から日本の円が安心とされてきたのになぜ急に不信感につながったのでしょう?

これは、2019年に行った消費増税の影響で先月発表されたGDPが-6.3%であったことに起因しているのだと思います。さらにポイント還元が2020年6月に終了すれば、さらに内需が落ち込み、益々円が買い控えられ、若しくは売られ、円安傾向になると予想します。現在日本では、海外製品に依存して成り立っているので、このまま円安が進めば、海外品の値段が高騰し生活しにくくなる可能性が十分に考えられます。最悪ハイパーインフレーションが起これば、日本国民は益々生活が厳しくなることでしょう。

しかし、皮肉にも銅の国内相場においては、これは多少の追い風となります。通常LMEという銅の世界相場がありますが、これを為替レートに変換して日本の銅相場(建値)が決まるので、円安であればあるほど国内の銅相場が上昇するわけです。残念ながら、先日はあまりにもLMEが下落したため、建値は3万落ちの64万となってしまいましたが、これが去年の為替105円台の円高に振れたら、さらに2万近く落ち込んでいるはずです。逆を言えばLMEが落ち込んでも円安が進めば、建値が高騰することもあり得るのです。

いづれにしても、我々のような銅を扱う鉄・非鉄卸売業は、大きな損も大きな得もなく、細々とやっていければいいと思っているのが本音なので、LMEや為替の急伸や暴落の無いように祈る日々を過ごしているわけです。

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